てんかん発作
24時間以上の間隔を空けて、少なくとも2回以上のてんかん発作を有する病態と定義される。
その原因により「特発性てんかん発作」と「構造的てんかん発作」に分けられる。
また、てんかんの定義を満たさない発作を「反応性発作」とする。
てんかん発作はその徴候により下記の「全般発作」と「焦点発作」に分けられます。
その原因により「特発性てんかん発作」と「構造的てんかん発作」に分けられる。
また、てんかんの定義を満たさない発作を「反応性発作」とする。
てんかん発作はその徴候により下記の「全般発作」と「焦点発作」に分けられます。
全般発作
全般発作は、脳内のニューロンやシナプスの過剰な興奮性の増大と抑制の低下により、前脳全体から同期して発生した放電が両側の脳半球へ同時に広がる。
神経徴候は、脳内の同期した興奮活動の表れであり、運動徴候は両側性となり、意識障害を示すことが殆どである。症状は、全身性の痙攣症状が一般的であるが、非痙攣性の全般発作もあり脱力型の症状もある。当院でも、猫でこの脱力型発作を経験しています。
神経徴候は、脳内の同期した興奮活動の表れであり、運動徴候は両側性となり、意識障害を示すことが殆どである。症状は、全身性の痙攣症状が一般的であるが、非痙攣性の全般発作もあり脱力型の症状もある。当院でも、猫でこの脱力型発作を経験しています。
焦点発作
一側の大脳半球における1領域における異常な放電に起因する。その存在領域が焦点発作の臨床症状を決定され、運動性発作、行動性発作、自律神経性発作などに分類される。
焦点発作は、意識レベルの変化を伴わないことが殆どである。
犬・猫ではこの焦点発作から全般発作へ変化することも多いことが知られています。
当院でも柴犬の「ハエ噛み行動」と呼ばれる焦点性行動発作を経験しています。
焦点発作は、意識レベルの変化を伴わないことが殆どである。
犬・猫ではこの焦点発作から全般発作へ変化することも多いことが知られています。
当院でも柴犬の「ハエ噛み行動」と呼ばれる焦点性行動発作を経験しています。
脳腫瘍
頭蓋内の組織は主に脳実質、髄膜、脳神経、血管などから構成しており、そこから発生した腫瘍が原発性脳腫瘍(PBT)と定義されます。一般的には中胚葉性(髄膜腫)、または外胚葉性由来の腫瘍です。外胚葉性由来の腫瘍は臨床的にグリオーマと呼ばれています。また、犬・
猫では頭蓋骨や鼻腔内に発生した腫瘍も脳に影響を受けるため二次性(続発性)脳腫瘍(SBT)と定義します。脳実質に血行性転移した腫瘍や隣接した部位から増大し、神経組織に浸潤・圧迫した場合などです。
脳腫瘍は、神経機能不全、頭蓋内圧亢進、腫瘍随伴症、滴下転移により様々な症状を示すが、 一般的には発作と行動学的変化が現れ、他にも様々な症状を示す可能性があります。小動物医療において高度医療機器、小動物の寿命延長、高度医療技術の進歩により、大学付属病院や2次病院では以前に比較し脳腫瘍が診断され、開頭手術など治療する割合が飛躍的に増加しました。
脳腫瘍は、神経機能不全、頭蓋内圧亢進、腫瘍随伴症、滴下転移により様々な症状を示すが、 一般的には発作と行動学的変化が現れ、他にも様々な症状を示す可能性があります。小動物医療において高度医療機器、小動物の寿命延長、高度医療技術の進歩により、大学付属病院や2次病院では以前に比較し脳腫瘍が診断され、開頭手術など治療する割合が飛躍的に増加しました。
脳炎
大きく分けて、感染性と非感染性の脳炎に分類される。感染性の脳炎では、猫では、猫伝染性腹膜炎(FIP)による脳脊髄炎が知られています。犬では、ジステンパーウイルスによる脱髄病変を脳幹や小脳に形成し急性進行性となります。一方、非感染性では、犬で肉芽腫性髄膜脳炎(GME)、壊死性髄膜脳炎(NME)、壊死性白質脳炎(NLE)のこれら疾患は臨床的に鑑別することが困難なため、起源不明の髄膜脳脊髄炎(MUO)に統一されました。MUOは症状、MRI撮影、脳脊髄液検査により総合的に診断されます。ただし、その症状は病変の部位と原因により様々です。
下の画像はMRIで撮影された脳炎の画像です。この症例は犬で3~4歳から痙攣が始まり、以降 3年間、抗痙攣薬を投薬していましたが、それでも痙攣の頻度が高くなったため来院されたました。当院で、身体検査と神経学的検査を実施し、紹介した大学病院でMRI撮影と脳脊髄検査を実施して脳炎が判明しました。

下の画像はMRIで撮影された脳炎の画像です。この症例は犬で3~4歳から痙攣が始まり、以降 3年間、抗痙攣薬を投薬していましたが、それでも痙攣の頻度が高くなったため来院されたました。当院で、身体検査と神経学的検査を実施し、紹介した大学病院でMRI撮影と脳脊髄検査を実施して脳炎が判明しました。

振戦
臨床的に「犬が震えている」という主訴をよく耳にします。震えるとは、意識覚醒時において不随意で律動的な主動筋と拮抗筋の反復運動(振戦)です。全身徴候として現れることもあれば、局所的に出ることもあります。生理的な振戦は寒冷、疲労やストレスや不安、恐怖などにより生じます。
振戦を症状とする神経疾患の原因には、①変性性 ②奇形性 ③腫瘍性 ④代謝性 ⑤特発性・炎症性 ⑥外傷性 ⑦血管性に分けられ、老齢性起立性振戦、小脳疾患、特発性全身性振戦症候群、特発性頭部振戦などの疾患が知られています。④の代謝性は2次的に神経に 影響を与えることで振戦症状を示すことがあります。具体的に低血糖や電解質やカルシウム異常、甲状腺機能亢進症、各種中毒疾患などが挙げられます。
ご注意頂きたいのは、震えているのでこれら疾患の可能性がありますが、震えていないからこれら疾患の可能性はないということではありませんのでご注意ください。
振戦を症状とする神経疾患の原因には、①変性性 ②奇形性 ③腫瘍性 ④代謝性 ⑤特発性・炎症性 ⑥外傷性 ⑦血管性に分けられ、老齢性起立性振戦、小脳疾患、特発性全身性振戦症候群、特発性頭部振戦などの疾患が知られています。④の代謝性は2次的に神経に 影響を与えることで振戦症状を示すことがあります。具体的に低血糖や電解質やカルシウム異常、甲状腺機能亢進症、各種中毒疾患などが挙げられます。
ご注意頂きたいのは、震えているのでこれら疾患の可能性がありますが、震えていないからこれら疾患の可能性はないということではありませんのでご注意ください。
椎間板ヘルニア
脊髄軟化症
脊髄軟化症は重度の脊髄損傷に伴う脊髄の広範な進行性壊死である。脊髄神経疾患の合併症として知られ、椎間板ヘルニアや脊髄神経の外傷、脊髄梗塞などの脊髄疾患の病変部位から上行性および下行性に脊髄神経の壊死が急速に進行します。症状は犬は強い鈍痛を示し、皮筋反射の消失、前肢の麻痺、ホルネル症候群、呼吸の変化と確実に悪化していきます。当院でも発症に気付いて急激に進行して数時間から1日前後で予後不良となっています。ただし、これまで脊髄軟化症が発症した場合には予後不良と説明してまいりましたが、近年は2次施設において硬膜切開をすることで救命される症例も報告されるようになりました。
変性性脊髄症
この疾患は、慢性進行性の脊髄白質疾患です。炎症性変化を伴わない変性性疾患であることから変性性脊髄症と呼ばれます。近年では遺伝的要素の存在が明らかになりました。報告ではウェルシュコーギー・ペンブロークが好発犬種であることが知られています。下の歩行動画では、後肢の爪を擦って歩行しており、最初はこの動画の様に片側後肢に異常を認めます。そして、数か月後には両側後肢へ進行し、さらに上行して前肢および頚髄、脳幹へと波及します。臨床症状は胸腰部の椎間板ヘルニアに似ていますが、進行性で病変が広がる点が異なります。当院でも同様の経過を辿った症例を経験しています。遺伝子検査を実施することでこの疾患の可能性を示しており、疑わしい場合は利用するのが良いと思います。
馬尾症候群
脳から始まる中枢神経は脊椎骨の中を通り、脊髄神経は最後に末梢神経束となり「馬の尾」の様に見えるため馬尾という。ここに病変があると現れる様々な神経機能症状が現れ、その総称を馬尾症候群と呼びます。変形性腰仙椎狭窄症は同義語です。馬尾神経には、坐骨神経、陰部神経、骨盤神経、尾部神経が含まれ、これら複数の神経学的検査異常を示す可能性があります。この疾患は中型・大型犬で好発し、尾が下がる、階段の上り下りを嫌うなどの症状が見られます。問診や身体検査、神経学的検査、レントゲン検査にて馬尾症候群が推察された場合、MRI検査が有効になります。
脊髄梗塞(繊維軟骨梗塞)
脊髄梗塞は脊髄神経に分布する血管の塞栓による虚血性脊髄障害です。代表的な疾患が線維性軟骨塞栓症があります。発生機序は不明ですが、椎間板に由来する微小な軟骨成分が血管内に迷入して塞栓すると考えられています。梗塞部位は頚髄から仙髄まで報告され、その発生部位により神経症状は様々です。この疾患は犬では時折認められますが、猫では稀です。
次の動画は、チワワで左右両後肢は殆ど動きません。発症して翌日の状態です。
▼動画1
鑑別診断のためMRI撮影を依頼しました。画像的には椎間板ヘルニアと診断されましたが、後肢の神経学的反応などから最終的に脊髄梗塞と診断しました。
この症例の様に椎間板ヘルニアのある部位と脊髄梗塞がある部位が重なった場合には、どちらが原因で症状が出ているのか?判断するのが難しいこともあるようです。
次の動画は約3週間後の状態です。
内科治療とリハビリにより、徐々に後肢は動き出し歩行できる状態になっているのがわかります。
▼動画2
この様にあまり症状が進行することはなく、急性の発症と非進行性が特徴となります。この臨床徴候やMRI、脳脊髄検査などと併せて総合的に診断する必要があります。
次の動画は、チワワで左右両後肢は殆ど動きません。発症して翌日の状態です。
▼動画1
鑑別診断のためMRI撮影を依頼しました。画像的には椎間板ヘルニアと診断されましたが、後肢の神経学的反応などから最終的に脊髄梗塞と診断しました。
この症例の様に椎間板ヘルニアのある部位と脊髄梗塞がある部位が重なった場合には、どちらが原因で症状が出ているのか?判断するのが難しいこともあるようです。
次の動画は約3週間後の状態です。
内科治療とリハビリにより、徐々に後肢は動き出し歩行できる状態になっているのがわかります。
▼動画2
この様にあまり症状が進行することはなく、急性の発症と非進行性が特徴となります。この臨床徴候やMRI、脳脊髄検査などと併せて総合的に診断する必要があります。
中耳炎
中耳炎は耳の病気ですが、症状としては末梢前庭神経に障害が及ぶので神経症が現れます。症状は頭部が病変側に傾き、平衡感覚異常などの前庭症状が認められます。もちろん、末梢前庭障害の症状が認められます。
甲状腺機能低下症による神経症状
この症例は、やっと歩行するぐらいの歩様を示し来院しました。検査の結果、甲状腺ホルモンの著しい低下が認められました。甲状腺機能低下症は、稀に多発神経症を示し、筋肉の緊張度の低下や神経反射の低下や消失を示すことがあります。
▼治療前の動画
▼治療後の動画
▼治療前の動画
▼治療後の動画
シャム猫の内斜視
シャム系の猫に認められる先天性内斜視です。他に症状や異常がなければ、特に治療の必要性はありません。



